バージョンアップするとColdFusionのAjax機能が動作しない場合の確認点

ColdFusionをバージョンアップすると、これまで動作していたAjax機能が動かない場合があります。例えば、以下のような状況です

  • 入力欄のカレンダー（<cfinput type="datefiield" や cfcalender）が表示されない
  • cftreeやcfmenuが機能しない
  • cfajaxproxyでcfcを呼び出せない
  • cfchartのクライアント（HTML+JSチャートが表示されない）

この原因としては、以下の２つがあげられます。それぞれの確認点や対応方法について説明します。

  1. Ajax機能の動作に必要なJavaScriptがインストールされていない
    • ColdFusion 2016から、一部のAjax機能（autosuggest, <cfinput type="datefield">,cfcalender, cftree）などが非推奨・非サポートとなりました。そのため、ColdFusion 2016の更新版のインストーラー、2018、2021では、初期状態でそれらを動作するためのJavaScriptライブラリが含まれておりません。ColdFusion 2021や2018で引き続きそれらの機能を使用したい場合は、下記のサイトから、YUI、Spryライブラリをダウンロードして、手動で所定の場所に配置する必要があります。

      【参考手順】
      1. https://helpx.adobe.com/jp/coldfusion/deprecated-features.html にアクセスします
      2. 上記で紹介したページ下部にある「YUI and Spry（YUIとSpry）」よりダウンロード可能なファイル(Checksumが書かれているyui.zip とspry.zip)をダウンロードします
      3. ダウンロードしたライブラリを解凍ソフトを使い解凍します
      4. 解凍された wwwroot フォルダを <cf_root>/cfusion 内に配置（上書き）します
      5. 動作しないAjax機能の動作を確認します。ブラウザの「開発者ツール」等を使用すると、『ネットワーク』でJavaScriptの読み込みを確認できますので、ファイルが読み込みできているかを確認してください
         

  2. Internet Explorerの互換性表示が有効になっている

    • 以前のバージョンで動作していたcfajaxproxyやAjax機能が、新しいColdFusionバージョンでは動作しないということがあります。以前のシステムをそのままバージョンアップしたため、使用するブラウザがChromeやFirefox、Edgeではなく、引き続きInternet Explorerであることが特徴です。Internet Explorerには、互換性表示機能があります。この機能を有効にしている場合、古いバージョンのInternet Explorer 7 や 5 相当の動作となり、新しいColdFusionバージョンに同梱されているJavaScriptが動作しなくなります。

    • そのため、Internet Explorerで互換性表示を無効にすると、IE10または11相当に変更しないと、カレンダーやチャート、CFAJAXPROXYが動作しなくなります。IISにヘッダーを付加している場合は、そのバージョンを変更するか、ヘッダーを無効にします。ColdFusion側で対応するには、<cfheader>を使用して、ブラウザのレスポンスヘッダに「X-UA-Compatible」を指定する事で互換表示時のIEのバージョンを変更できます。

      <cfheader name="X-UA-Compatible" value="ie=10">
      ※Application.cfmやApplication.cfcに記載することで、そのアプリケーションのすべてのColdFusionページでIEの互換表示バージョンを指定するなどが可能です　

    • また、ActiveDirectoryなどでブラウザの設定を行っている場合もあるようです。特にIntenet Explorerの互換性表示には、「エンタープライズ」という設定があり、これを有効にしていると、Internet Explorer 8までの互換表示の制限となるため、多くのColdFusionのAjax機能が動作しなくなります。この設定は、IE8までしか提供されなかったWindows XP向けに作成されたWebサイトをIE11で開いた際の互換性を向上させるためのもののようです
      https://hebikuzure.wordpress.com/2014/11/13/ie11-enterprise-mode-improvement/
      この設定は古い機能であり、ColdFusion 2021や2018に搭載されているJavaScriptに対応ができないので、デフォルトのモード（デスクトップ）にした上で<cfheader name="X-UA-Compatible" value="IE=11">を適用してください。

 


 

記事公開日：2021年03月22日
最終更新日：2021年03月22日

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